パンチ力の定義と強化トレーニングを知っておこう|ボクシング

パンチ力の定義と強化トレーニングを知っておこう|ボクシング

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パンチ力の定義と強化トレーニングを知っておこう|ボクシング

パンチ力とは

ボクシングに必要とされるパンチ力とはなんでしょう。
それは10秒間、相手をマットに倒すことが出来るパンチ力です。
それが出来れば、それ以上のパワーは必要ありません。

 

相手を10秒間マットに寝かせるパンチとは、パワーよりも実はタイミングが大切です。
相手にディフェンスの準備をさせずパンチを当てることができれば、必要なパワーはそれほど求められません。
相手の急所に的確なタイミングとスピードでパンチを当てることが出来れば、難なく相手をKOすることも可能です。

 

かつてメキシコにカルロス・サラテという世界チャンピオンがいました。
彼は54戦54勝、53KOという驚異的なKO率を誇りました。
カルロス・サラテがそれを証明することを言っています。
「私は強いパンチは打てない。それでも急所にピンポイントに当てれば、KOするには十分なんだ」と。

 

さらに言えば、モハメド・アリとジョージ・フォアマンの比較も面白いです。
フォアマンはヘビー級の中でもトップクラスのパンチ力だと言われています。
一方アリのパンチ力はヘビー級の中では平均と言われています。

 

しかし、二人のKOの内訳を見てみると、アリは10カウントKOが多く、フォアマンはスリーノックダウンとレフェリーストップが多い。
フォアマンの強力なパンチよりも、アリのドンピシャのパンチに方が相手はマットに沈みます。
パワーよりもタイミングの方が重要な証拠でしょう。

 

パンチにパワーは不要?

じゃあタイミングさえあえばいいのか、といえばそれは理想論です。
相手の虚を突くパンチは困難です。
強いパンチが打てれば、相手は自分のパンチに警戒心を持ちます。
弱いパンチしか打てなければ、相手はディフェンスを捨てて、打ち合いに来るかもしれません。
両方のパンチが打てれば、試合運びをコントロールすることができます。
パワーのあるパンチが打てるのが理想ですが、それはKO目的ではなく、試合運びにバリエーションを持たせることが出来るからです。

 

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パンチ力をアップさせるために必要なもの

パワーを逃さず、相手をKOさせるパンチに必要なものはなんでしょうか。
細かいフォームよりも大切なのは、力を逃がさないことを意識することです。

 

パンチを打つと必ず自分に反動が返ってきます。
これは無意識の内に防衛本能が働き、パンチの衝撃を自分の体から逃がそうとしているのです。
言ってみれば、これは穴のあいたバケツのようなもので、相手に与える衝撃を自ら弱めてしまっているのです。
無意識のうちに手加減してしまっていると言ってもいいかもしれません。

 

ですからパンチ力を上げるために必要なのは、そのバケツの穴を見つけて、穴をふさぐ事です。
身体のどの部分が衝撃を逃しているのかを把握し、その穴を一つずつふさいでいくことで、自然にKOさせるパンチが打てるようになります。

 

具体的なトレーニングは?

自分の体に伝わる衝撃をいかに逃がさないようにするか。
衝撃を逃がさないようにすればするほど、同時に自分の体は痛みを感じます。
その痛みを克服するトレーニング方法をご紹介します。

 

①両膝を床に付けて膝立ち。背筋を伸ばす。
②両手の拳を握って、ストレートを打つように両腕を真っ直ぐ前に伸ばす。
③その体制を保ったまま、前方に倒れて拳を床に付ける。

 

床に両腕が付いた時の体制をチェックしてください。
身体から衝撃が逃げていると、以下のような体勢になっているはずです。

 

①手首や肘が曲がっている。
②肩甲骨が閉じて後ろに引っ張れている。
③身体が弓なりに反っている

 

この曲がってしまった部分から衝撃が逃げています。
ここでチェックした部分を意識してトレーニングすることで、効率よく衝撃を逃がさない体づくりが出来ます。
そして繰り返しこのトレーニングをし、身体が固定した状態で床に手が付くようになれば、サンドバッグを打ったときにも衝撃が逃げにくくなっているはずです。

 

パンチ力にはスピードも大切

「パンチ力=スピード×体重」と言われます。
漫画グラップラーバキでも花山薫戦で紹介されていました。
スピードが増せばパンチの威力も増します。
20キロのスピードの車と、100キロのスピードの車の衝撃は段違いですからね。

 

このスピードを身に付けるために有効なのは何でしょう。
それは、筋力。ではなく、ブレーキです。

 

ブレーキをかけるとスピードが落ちるのでは?と思うかもしれません。
しかしここで言うブレーキとは、イメージとしては「居合い」や「デコピン」です。
プロ野球選手の投球フォームは身体が固定することで、腕がスピードを増します。
慣性の法則で、腕のスピードを速くするのです。

 

ボクシングで言えば、どうブレーキをかければいいのか。
パンチを打つ時は、パンチを打つ側の足で床を蹴り、足首→腰→肩→腕と身体を回転させることで威力が増します。
そこでパンチがヒットする寸前に、パンチを打っている側と逆のサイドを急停止します。
イメージとしては、右ストレートを打つ場合、左肩を後に引かず、左肩と腕を身体の中心に引き込むかたちです。
パンチのスピードが増したと実感できるまで、トレーニングしてみてください。

 

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