サンドバッグ打ちは、ボクサーの基本練習と言えるでしょう。どのジムでも基本的な打ち方をみっちりと教えていますから、ここでは応用的なサンドバッグ打ちについて説明します。
サンドバッグ打ちでは選手が一人で黙々とパンチ練習をしますが、この際にパートナーを一人背後に立たせて、選手を不意に押したり引っぱったりさせます。すると選手は大きくバランスを崩しますから、そこからのリカバリーテクニックを練習することができます。つまりバランスを崩しても、床の反力を利用して直ぐに体制を立て直し、タイムラグを極小にして攻撃を続行するプライオメトリック・トレーニング(伸張―短縮サイクル)です。またこのトレーニング法では、選手もサボることができないので一石二鳥です。
サンドバッグ打ちの際に、サンドバッグの両側の縫い目を目印に、サイドからの攻撃を練習することができます。サンドバッグは対戦相手に見立てて打ち込むものであり、実戦で真正面から打ちあうのは非常に危険です。ですからサンドバッグ打ちでも、巧みなステップを駆使して、鋭いコンビネーションを身に着けるようにしましょう。オーソドックスの選手は左側の縫い目へアウトステップして、サンドバッグの正面への攻撃を仕掛けます。これは右利き同士の対戦の基本ポジションとなります。
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