総合格闘技とボクシングのパンチの違いは？
ボクシング以外の格闘技でも、パンチに関してはボクシングのテクニックや理論が応用できるはずです。ですからキックボクサーや総合格闘家も、ボクシング流のパンチを身に着けるメリットはあります。とは言っても、細かな部分ではそれぞれの格闘技の特性に準ずるべきです。ここで総合格闘家やキックボクサーとボクサーとの相違点について説明しましょう。
ボクジンクは繊細な強弱と接近戦でのボディワークやサイドステップが重要
ボクシングの基本はジャブからです。いきなり全力のパンチを叩き込むのはセオリーにありません。むしろジャブや小さなフック・アッパーで相手の心理や体のバランスを崩していって、チャンスに強打を叩き込む強弱の攻防が大事な格闘技です。何故なら、ボクシングは拳だけで戦う特殊な格闘技だからです。ボクシング選手はパンチだけに意識を集中して対戦していきます。
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ですが他の格闘技では足も頭も、肘も膝も使った攻撃が許されています。攻撃パターンが無数にあり、パンチテクニックにこだわるよりも、強烈なキックやエルボースマッシュなどを磨いた方が勝率がアップするでしょう。その点でボクサーは地道にパンチのスピード・破壊力・切れ味を極めていきます。そして相手の隙をつくために様々なコンビネーションも繰り出します。そういった執拗な攻撃をかわすガード・ボディワーク・ステップワークを向上させるのも、ボクシングならではのテクニックです。特にポジション確保は大事で、絶えず相手のサイドに廻り込む動きを試みます。自分はヒットポイントを狙えるが、相手にはヒットポイントを渡さないという戦術も、実はボクシング特有のものです。こういったステップワークは、キックボクシングや総合格闘技にはあまり見られません。
総合格闘技には複雑なコンビネーションが不要です
総合格闘技は打撃技以外にも、投げ技も組技も何でもアリの格闘技です。そこでパンチに対しても破壊力が求められます。例えば相手がタックルを仕掛けてきたら、突進してくるアゴや喉元を狙った強烈なアッパーカットを叩き込むといった感じです。練習でもそういったパンチを熱心に学びます。
強弱でなく、ひたすらに強打強打
総合格闘技で使用するグローブは、指の第二関節が出ているオープンフィンガーグローブです。手は掴んだり投げたりするためにも使われるので、ボクシングの様に繊細な戦略を立てて、積み上げる様な戦い方を好みません。それよりも殴ってダメージを与えればOKの世界で、相手がミドルレンジに入ってきたら、手当たり次第にアッパーやフックといった旋回系のパンチを強打していきます。もちろんパンチだけで倒そうとはしません。その後の攻撃の布石にパンチを使うケースが多いのです。
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