ボクシングにおける効果的なフットワークトレーニング方法

ボクシングにおける効果的なフットワークトレーニング方法

■フットワークの重要性

ボクシング選手のあの独特な足さばき、足運びをフットワークといいます。あのリズミカルな動きにも重要な意味があります。相手との距離を調節し、自分のパンチが届く距離に素早く移動したり、反対に相手のパンチが届かない距離に素早く移動するためにフットワークを用いるのです。その他にも、攻撃の勢いを付けたり即座に攻撃の切り替えを行うためにもフットワークが効果的に働きます。

 

ボクサーのスタイルには「アウトボクシング」と「インファイト」の2種類があります。アウトボクシングはリーチ(腕)の長さを生かし、相手と一定の距離を保ちつつ戦うスタイル、インファイトは相手の懐に入り込んでパンチを繰り出す接近戦のスタイルです。フットワークはどちらかというとアウトボクシングスタイルの場合により重要な技術ですが、だからといってインファイトスタイルのボクサーにフットワークが全く不要だというわけではありません。フットワークには防御や攻撃力アップといった効果もあるため、インファイトのボクサーもしっかりとフットワークをトレーニングしておくことが大切です。

 

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■フットワークの種類

フットワークにもいくつかの種類があります。

 

・ステップイン
ステップインは前方に移動するフットワークです。
基本的な動きは、まず足を肩幅に開いて片方の足を少し前に出します。この時両腕の肘を顔の前で揃えてガードの姿勢を取ります。前に出した足をすり足でさらに一歩前へ出し、前に出した分後ろの足を前に引き寄せます。
足を前に出すとき、ボクシングでは足を高く上げることはありません。前へ出ようとしていることが相手にばれてしまうからです。また、足を上にあげる分動きから素早さが損なわれてしまいます。そのため、できる限り足を上げないようすり足で移動するのです。
あまりにも前に進みすぎると前足に体重がかかりパンチに力が入りにくくなってしまいます。そのため、最終的には元の姿勢に戻るように意識することがステップインを成功させるコツです。また、前方の足と後方の足との体重バランスも重要です。前方6、後方4ぐらいのバランスが理想的です。

 

・ステップバック
ステップバックはステップインとは反対に、後方に下がるフットワークです。
ステップイン同様顔の前で腕でガードを作った姿勢で足を肩幅に開き、片方の足を少し前に出します。この状態でもう一方の足を一歩下げ、後ろに下がった分前方の足を後ろに引き下げます。
後ろに下がるとき、後ろの足に体重をかけすぎるとのけぞるような姿勢になってしまい、バランスが崩れてガードが解けてしまう原因となります。必ず前足に優先的に体重をかけてバランスを保てるようにしましょう。

 

・サイドステップ
サイドステップは左右に素早く動くフットワークで、主に相手の攻撃をかわすために使います。最初の一歩目は進行方向側の足を進行方向に向けて踏み出します。次にもう一方の足も同じ方向にひきつけます。進みたい方向に向かってこの動きを繰り返します。

 

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■効果的なフットワークトレーニング方法

次にフットワークが上達する効果的なトレーニング方法をご紹介します。

 

フットワークは細かい動きながらかなりの体力を消耗するため、体力づくりが基本となります。また、攻撃のためのフットワークと防御のためのフットワークに分かれるため、どちらもバランスよく身に着けることが大切です。

 

・縄跳び
ボクシングのトレーニングといえば縄跳び、というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、あれは単なる準備運動だけでなくフットワークトレーニングの基本でもあるのです。
最初はとにかく跳び続けることを意識します。初心者はまず30分から、初めのうちは辛いですが1、2週間もすれば身体が慣れてくるのでそうなったら40分、50分と時間を伸ばしていきましょう。
跳び続けるだけならいくらでもできる、というほどに慣れてきたら、次は最小限のジャンプでリズムよく跳べるトレーニングをします。足を上げすぎると体力を消耗し、リズムも乱れるため縄が通るすれすれぐらいの最小限のジャンプを意識しましょう。

 

・ジャブとの組み合わせ
フットワークだけであればリズムよく動くことができるけれど、実際にパンチを出しながらとなると途端にフットワークが乱れてしまいます。そのため、トレーニングの段階からフットワークとジャブを組み合わせた動きを練習しておくことが大切です。

 

・プロボクサーのフットワークからイメージトレーニング
より良いフットワークを身に着けるため、プロボクサーの動きを参考にするのも効果的です。軽快で美しいフットワークが有名で、「蝶のように舞い・蜂のように刺す」とも表現されたモハメド・アリをはじめシュガー・レイ・レナード、ナジーム・ハメドなどのフットワークを映像で何度も確認し、普段からイメージトレーニングしておきましょう。それだけでもフットワークの質を各段にアップさせることができます。

 

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基本 トレーニング ストレートの打ち方 ジャブの打ち方 テクニック ガード